私が嫁さんと付き合い始めた時、娘は小学1年生でした。3ヵ月で判断しようと決心し娘と初めて会い、そして次に嫁さんに会いに行った時のこと。ちょうど、近所のスーパーの駐車場で、こじんまりとした夏祭りをしていました。

「かずにぃはこっち!」

スーパーの屋上駐車場に車を止めて降りた直後。娘が

「かずにぃはこっち!」

と言って私の手を引きました。そして立て続けに

「かーちゃんはこっち!」

と言って私と逆側に。そして娘は右手で嫁さんと手を繋ぎ、左手で私と手を繋ぎました。両手で手を繋ぎたかったんですね。

私はちょっとドキっとしましたが、「これも『3ヵ月で判断』の一環だな」と思って、手を繋いだまま歩きました。

その後、串焼きの出店が見えてくると「あ!あれ食べたい!」と言ってすぐに手を離してスタタタと走って行ってしまいました。気まぐれだなあと思いつつも、天真爛漫な感じがして愛おしい気持ちになったのを覚えています。

結婚後に娘から聞いたのですが、この時は私を「父親になるかもしれない人」だとは思っていなかったんだそうです。ただ、優しそうなお兄ちゃんと手を繋ぎたかったんだ、と。こういうシチュエーションは「父親役」っぽい感じがして、結婚前の彼氏としては抵抗がある人もいるかもしれませんが、子供は意外とそこまで深く考えていなくて、割と単純に「あーいうのやってみたい!」という純粋な気持ちでやっているんだなあと思いました。