ウチの娘は、中学生になった時にテニス部に入りました。それは、私にとってとても不満なことでした。

「もったいない!」

ウチの娘は、実は小学生の時に市の小学生記録を更新したことがあるんです。私としてもすごく誇らしかったし、これからも続けて行って、そのまんまオリンピックにでも出てくれたらすげーよな、とか考えていました。

でも、娘は中学生になって水泳部ではなくテニス部を選びました。別に、水泳部がなかったわけではありません。それでも、テニス部を選びました。なぜかというと、マンガの「テニスの王子様」が大好きだったから。

なんでそこでマンガに影響されちまうんだよー、と思いました。「お前、よく考えろよ。絶対に水泳の素質あるんだから、水泳を続けろよ」と言いたかったです。でも、喉元まで出かかっていたのをギリギリのところで抑えて言いませんでした。私が「この部活に入れ」と言うことは、娘の意思を尊重していないことになると思ったからです。

これは、私にとって「娘の意思を尊重する」という考え方の中で初めて苦痛に感じた出来事でした。「水泳を続けていれば、絶対にいろんな子に勝てるのに!」と、悶々と思っていました。傍目から見れば「自分のことは自分で決めさせる」っていうのは当然のことだと思いますが、いざ自分の身に降りかかってくると、このガマンは苦しかったです。

しかし、娘はテニス部に入って正解だったと思います。その後、中学・高校・大学とずっとテニスを続けています。凡庸な成績しか残していませんが、見ている限り、良い青春を送っているようでした。もし私が口を出して水泳を続けていても、自分の意志を曲げられた中で他人に勝ったところで嬉しくなかったんじゃないかなと思います。

やっぱり、子供の人生は子供自身に選択させるのが最も正しい、と今振り返っても思います。あの私のガマンは正解でした。