ウチの娘はハムスターを飼っていました。今も飼っています。今のハムスターは2代目で、最初に飼ったハムスターは娘が高校生の時に死にました。

嫌だったけど、飼って良かった

娘はペットを飼いたいとよく言っていましたが、私はペットを飼うのは反対でした。かなり強く反対していました。「どうせ世話なんかできやしない」とか「檻の中に入れられるペットが可哀そうだ」とか言っていました。動物には動物の一生があって、それはその動物にとっては大事なもので、それを人間が思い付きで簡単に曲げてしまうのってどうなの?と思っていました。

しかしある日、嫁さんと娘が二人で買い物に行って、私に無断でハムスターを買って来ました。いざ実際に買ってこられると返しに行けとも言いづらく、黙っていました。嫁さんは私の性格を知り尽くしていたようです(笑)。

私の予想に反して、娘は買ってきたハムスターを甲斐々々しく世話していました。毎日餌をあげて、糞の掃除をしていました。私は当時高校生で年頃だった娘とはだんだんと距離を置く方向だったと思うのですが、このハムスターを介して会話の量が少し増えました。そうなると、「ハムスターが居る生活もいいものかも」と思うようになりました。

そして2年後、ハムスターはだんだんと具合が悪くなってきました。嫁さんと娘が動物病院に連れていくと、獣医さんは

「もう寿命だね。もう、できることはほとんどありません。何万円かかかるのを覚悟するなら少しできることはあるけど、そこまでする人はまずいません。最後まで愛情を持って、看取ってあげて下さい」

と言ったそうです。そしてその後一週間ほどで死にました。最後は自分で自分の頬をかじってしまい、穴があいている状態でした。

娘と妻は大泣きしていました。その夜、簡単なお墓を作りに行きました。

最初は大反対していた私でしたが、今から考えると娘がハムスターを飼ったことはとても良かったと思っています。どこかで聞いた有名なフレーズで、

「子供が小学生になったら子犬を飼おう。小さいうちは友人になってくれる。そして子供が大人になる頃に寿命が来て、死というものを教えてくれる」

みたいなのがあります。うろ覚えですが。

ウチの場合、マンション住まいなこともあり、経済的なこともあり、犬を飼うことはできませんでした。ですがウチで飼ったハムスターは、2年間という短い間でしたが、同じような経験をさせてくれました。ハムスターは、ウチの娘の友人となり、最後には死を教えてくれたと思います。

特に、ウチの場合は娘が小さい頃に同居していたじいちゃん・ばあちゃんと遠く離れていたこともあって、娘は寂しい気持ちになることも多かったと思います。ハムスターは、寂しさをかなり埋めてくれていたと思います。

ウチの娘は世話をかなり良くやっていましたが、もし世話を全然しないで死んでしまったとしても、それをきっかけに「私は生き物を死なせてしまった。」ということについて考えるのは良いことだと思います。その意味では、私が「どうせ世話なんかできやしない」と言ってペットを飼うことを反対していたのは間違っていたかもしれません。ハムスター自身の人生が良いものだったかどうかはわかりませんが、どちらにしろペットは最後には死んで、子供たちに生と死について考える大きなきっかけを与えてくれます。少なくとも、子供たちには良い影響を与えてくれるでしょう。